The Japanese Society for the Study on Teacher Education

第9回研究大会メインテーマ

新しい時代の教育者像
-いま教師教育に求められているもの-

テーマ設定趣旨

2000年を目前に控えた現在、社会の各分野において20世紀から21世紀への橋渡しのための取り組みが行われています。平和問題、環境問題、歴史認識の問題等、教育者は新しい時代が投げかけてくる諸々の課題に対して、積極的に向き合い、これを克服する努力が必要です。しかし、子ども、おとな、そして教師をとりまく状況の変化は激しく、こうした課題への対応は容易ではありません。

今日われわれが当面する多くの課題は、教育界だけでなく社会全体とも密接に関わりあっています。少子化および高齢化にともなう家族構成の変化は、乳幼児の保育の方法や、高齢者に対する介護のあり方についての見直しをせまっています。また、生涯学習社会の到来によって、子どもだけではなく成人に対する学習や環境についても、これまで以上に多様な実践や条件整備が求められます。さらに学校教育、とりわけ小・中学校においては「学級崩壊」や不登校の問題など、その原因がいっそう複雑化しており、従来の枠組みではとらえられなくなっています。

本学会が存在基盤としている教師教育に関する問題に目を向けると、そこにも多くの課題があります。第一に、教員採用数の著しい減少は、学校における教員年齢構成のバランスを崩し、教育の内容にも影響をおよぼしています。なによりも、教職を目指す学生の就職が困難となるばかりか、優秀な学生の教職離れが進んでいることは深刻な問題です。

第二に、教育職員免許法の改正(1998年)およびそれにともなうカリキュラム編成は、大学や各教員養成機関にとって急を要する課題であり、学生および教員に対する負担増とともに、その問題点があらためて浮き彫りにされています。

第三に、スクールカウンセラーなどの、従来の教職員と異なる新しい人材が学校に配置されるに至ったことは、その養成の方法や学校における組織の見直しを必要としています。

このような中、私たちは変化に対応するためのさまざまな方策を講じなければなりません。そのためにはまず、新しい時代の教育者像についてあらためて考えてみることが不可欠ではないでしょうか。本学会の「創立趣旨」にもあるように、私たちは学校の教師、社会において教育に携わる者すべてを教育者と考えています。しかし、あらゆる場面において教育的な営みが行われている今日では、まず教育者とは何かという問いから考えてみることが必要でしょう。もちろん、教育者に求められている役割にも、学習や生活の指導という側面だけではなく、人間的な心の交わりやコミュニティの一員といった、これまでにはない質が問われています。これらを考えることによって、教育者として身につけるべき力量や感性、さらにはその役割が明らかになってくると思われます。

新しい教育者像は、これまでとは異なるさまざまな立場から意見の交流が図られることによって見出されると考えられます。教育研究者や学校現場の教師だけでなく、家庭や地域において日々子どもと関わっている方、カウンセラーや施設の職員など子どもの悩みに直接向き合っている方、あるいは生涯学習機関や社会福祉施設において成人や高齢者と過ごされている方など、この大会を通してさまざまな角度から新しい時代の教育者像を提示していただきたいと思います。それをふまえて、いま教師教育に何が求められているか、わたしたちがなすべきことは何かを考えるきっかけとなれば幸いです。

 


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