日本教師教育学会 研究会のお知らせ
1. 日時:2026年2月22日(日)18:00~20:00(120分) オンライン開催
2.テーマ:
教職課程改革の「論点整理」~中教審教員養成部会・WGの審議内容を中心に~
3.趣旨:
文部科学大臣から「多様な専門性を有する質の高い教職員の形成を加速するための方策について」諮問(2024.12.25)を受け、中央教育審議会で審議が行われている。
主な検討事項は、①社会の変化や学習指導要領の改訂等も見据えた教職課程の在り方、②教師の質を維持・向上させるための採用・研修の在り方、そして③多様な専門性や背景を有する社会人等が教職へ参入しやすくなるような制度の在り方である。
2025年10月25日には初等中等分科会教員養成部会が論点整理を示し、現在は教職課程・免許・大学院課程WG、大学院新課程WG、学校段階別の作業部会及び特別支援教育作業部会、養護教諭・栄養教諭作業部会が設置され、詳細にわたる検討が進められようとしているところである。
このたびの諮問の背景には、社会の変化や学習指導要領の改訂も見据えた「子どもたちの主体的な学びの支援・伴走」への教師の役割転換、そして2022年12月の中教審答申で示された多様な専門性を有する質の高い教職員集団を育成する必要性と並んで、「教師不足」への対応が求められていることがある。そこで、上記の論点整理では、具体的な数字こそ示されなかったものの、免許取得に必要な単位数の見直し(削減)が、学生それぞれの強みや専門性を高めるカリキュラムとすべきこととともに打ち出された。中央教育審議会は、2026年夏から秋にかけて答申をまとめる予定とされている。
教師教育研究の専門学会であり、会員の多くが教師教育の実践者でもある本学会には、教職課程改革を研究の対象として、その課題を適示し、必要な意見・見解を他の関係学会とも共同して発信し、政策形成に参加していくことが求められよう(折しも、2024年に本学会は課題研究(代表;鹿毛雅治理事)の成果として「今後の教師教育の『グランドデザイン』」を公表した。)そのため、教員養成部会で行われている議論がどのようなものであるかを深く理解し、教師教育学研究として何が重要な論点となりうるかを検討するために本研究会を開催することとした。この本学会としての「論点整理」という目的のために、教員養成部会に委員として参加している本学会の会員からの報告、参加者による全体協議、そして現時点での総括的分析を予定している。
4.構成・進行:
司会 牛渡淳会員
趣旨説明 勝野正章理事or岩田康之会長 5分
報告① 森田真樹会員(立命館大学)教員養成分科会委員 15分
報告② 勝野正章会員(東京大学) 教職課程・免許・大学院課程WG委員 10分
報告③ 鹿毛雅治会員(慶應義塾大学)大学院新課程WG委員 10分
全体協議 50~60分
総括 岩田康之会長(東京学芸大学) 10分
【申し込み】
学会員限定:事前申し込み不要
会員ログインした後のマイページにオンライン研究会URLを掲載予定(URLは研究会が近づきましたら掲載いたします。)
生成AIの研究活用と倫理的課題
近年、生成AIをはじめとする人工知能技術の研究分野での活用が推進されています。『令和6年版 科学技術・イノベーション白書』では、科学研究の一連のプロセスの中で「高度なAIを、研究・観測データの分析、仮説の生成・推論、予測、研究の自律化等に活用すること」が期待されるとしており、これまで研究者が行ってきた研究プロセス全般にわたってAIを活用することが想定されています。こうした動向を踏まえると、教育を対象とした研究においても、研究デザインの支援、文献探索の高度化、データ分析の効率化、分析結果の解釈支援など、多くの場面でAI活用の可能性が模索され、今後は研究の方法論やプロセスに大きな影響を及ぼす可能性があります。
一方で、研究におけるAI活用には、技術的・倫理的に未解決のリスクもいくつか存在しており、それを用いる際には慎重な姿勢も求められます。例えば、大阪大学の教育学習支援部では、「生成AIに関する注意点」として、AIが扱うデータの信頼性や限界性、著作権侵害の可能性などとともに、利用者の主体性・責任も示されており、AIの可能性や限界を自らの目で見極めることや情報をアップデートすることが重要だと指摘しています(大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部 HP)。とくに大学院生の方や研究を始めたばかりの方が論文等を執筆する際には、それを指導する側も含め、AIの使い方に難しさや課題を感じることもあるでしょう。
AIの研究活用をめぐるこうした動向を踏まえ、研究倫理委員会では、単に「AIを使う方法」を理解するのではなく、AI活用を通じて研究者の倫理観や批判的思考とは何かを考えるための学習会を企画しました。今後さらにAIの研究活用が進むと予想されるなかでも、研究者が果たすべき役割や責任を認識しながら、よりよい教師教育研究を推進するための議論ができれば幸いです。
講師 浦田悠 氏 / 大阪大学 全学教育推進機構 教育学習支援部 准教授
浦田氏は質的心理学やポジティブ心理学の立場から、青年期における人生の意味への問いについて論究されています。あわせて、大学におけるオンライン授業や学習支援に関する研究・実践にも取り組まれており、所属大学では生成AIの活用に関するFD活動にも携わっておられます。
著作に、『人生の意味の心理学』(京都大学学術出版会、2013年)、「シラバス作成に関するプレFD の効果」(日本教育工学会、2021)、「生成AIと教育」(情報処理学会、2024)など多数。
開催日時 2026年3月18日(水) 18時30分~20時30分
実施方法 zoomによるオンライン学習会
【挨拶・司会進行】 研究倫理委員会 委員長 長谷川哲也(岐阜大学)
【コメンテーター】 研究倫理委員会 副委員長 金馬国晴(横浜国立大学)
【総括・挨拶】 研究倫理委員会 半澤礼之(北海道教育大学釧路校)






