これからの教師教育に何を期待するか
テーマ設定趣旨
子どもの世紀といわれた20世紀も余すところわずかである。これを閉じるにあたり、改めて真にその名に値する子どもの人としての育ちや学びをすべての子どもに分かつことのできる時代の到来を強く祈念せざるを得ない。そこで私たちは、子どもをめぐる極めて困難かつ厳しい時代に生きる教師の役割を見つめ直し、子どもとその教育にとって欠くことのできない教師のあり方を改めて問い直したいと考えた。
現在、教育改革の一環として、教師教育改革も進められている。具体的に述べよう。1998年の教育職員免許法改正が本年度大学入学者から完全に適用されている。また現職教員の大学院での研修を促すために教育公務員特例法が改正され、来年度から大学院修学休業制度が実施される。また教育職員養成審議会は教師の養成と採用・研修との連携の円滑化などを答申している。このように、教師教育全体が改革の最中にあるのである。
この状況において、様々な立場の人々が学会員となっているこの日本教師教育学会の特徴を活かして、まずは自らの課題を整理し、かつ教師教育全体への展望を見いだしたい。
現代は、教師、子ども、学校、教師教育...、どれをとっても困難な状況におかれている。そのような状況だからこそ、まずは冷静に、広い視野のもとで自らの課題を見いだし確認することが必要であろう。それこそが、これからの教師教育......を改善していく第一歩であろう。
本大会の2日間を、そのような希望を見いだせるような機会とできればと思い、大会テーマを「これからの教師教育に何を期待するか」とした。個々の参加者が、何らかの期待を持って会場を後にできるような大会にしていきたい。
(大会実行委員会)