年報第35号「特集」への投稿論文の募集について
投稿締切日は2026年4月24日(金曜日)です。
分量、書式等は、自由投稿の場合と同様です。また、自由投稿の場合に準じて審査を行います。多くの投稿を期待しています。
投稿にあたっては、学会HPの年報投稿案内にある年報投稿要領を遵守のこと。また、参照・引用の方法と文献リスト作成のガイドラインを参考にすること。
さらに、学会の研究倫理規程を遵守すること。
特集タイトル:教師教育学の研究アプローチ
教育学の領域には、「○○教育学」あるいは「教育○○学」といった多様な分野が存在し、
それぞれの固有な性質や独自性を基盤として学問としてのアイデンティティを形づくってきました。
また、その学問ならではの学知を生み出すためには、研究アプローチのあり方が問われることになります。
とりわけ教育学には特定の定められた研究方法があるわけではないため、この「研究アプローチ」という論点は重要です。
「教師教育学」も「○○教育学」の一つであり、このような問いと無縁ではありません。
本学会は、「教育者養成に関し専門的かつ継続的に研究する専門学会」として創設され(『日本教師教育学会創立趣旨』)、
教育者養成および教師教育に関する研究の発展に資することを目的として活動してきました(『日本教師教育学会会則』)。
その研究領域は哲学・思想、歴史、制度・政策、比較、教育社会学、心理臨床、教育工学、フェミニズム・ジェンダーなど多岐にわたり、
研究方法についても量的研究からフィールドワーク、エスノグラフィー、アクションリサーチ、ライフヒストリー研究といった質的研究まで幅広い方法が取り入れられています(日本教師教育学会編『教師教育研究ハンドブック』、2017年、学文社)。
このように、本学会の性質や研究アプローチについては一定の共通認識が形成されてきたものの、
教師教育学という学問の本質やそこでの研究アプローチの特質については、十分に明らかになっているとはいえません。
加えて、学会創設から30年以上が経過し、教育を取り巻く社会状況が大きく変化するなかで、教師教育学のアイデンティティをあらためて問い直す必要性が高まっています。
こうした問題意識のもと、本学会第12期課題研究Ⅱ「教師教育学の研究アプローチ」では、
教師教育学の学術的性質と研究アプローチの多様性に焦点を当てて検討を進めてきました。
特に本学会の特徴である「学際性」に着目し、さまざまな領域・方法から構成される研究の広がりを積極的に評価するとともに、
学会のメンバーとして初等中等教育をはじめとする多様な教育の現場で日々の仕事に取り組んでいる「研究的実践者」や、
大学等に身を置きながらも実践の現場と密に関わる「実践的研究者」が集っているということ自体の意義や重要性を明らかにしてきました。
また、「学知」そのものの性質についても問い直す必要性があることもみえてきています。
以上を踏まえ、本特集では、教師教育学のアイデンティティをめぐるテーマについて、特に研究アプローチという観点から考察する論文を広く募集いたします。
なお、本特集の企画には、上記の第12期課題研究Ⅱ部会が関わっており、
部会メンバーによる論考では、教師教育学の性質や独自性、歴史的展開や現状、研究者の意識、学際性といったテーマを扱う予定です。






