The Japanese Society for the Study on Teacher Education

日本教師教育学会第13回大会公開シンポジウム

教師教育における臨床的アプローチの可能性と課題

日 時:2003年10月4日(土)14:30~17:30
場 所:上越教育大学 講義棟301教室
司 会:岩田 康之(東京学芸大学)・近藤 弘(立教大学)  

提案

  1. わが国教師教育の歴史的視野からみた臨床的アプローチの位置
    水原 克敏(東北大学)
  2. 臨床教育学構想におけるエスノグラフィーの可能性
    酒井 朗(お茶の水女子大学)
  3. 福井大学における大学院レベルでの実践事例
    森 透(福井大学)
  4. 上越教育大学における学部レベルでの実践事例
    濁川 明男(上越教育大学)

趣旨

今日の社会環境の急激な変化の過程で、わが国青少年の生活・発達状況において以前には認められなかった深刻な問題が生起している。たとえば、陰湿ないじめ、いわゆる「学級崩壊」などの病理的な問題ばかりか、多くの青少年にみられる対人関係能力の貧しさや自尊感情の低下などの問題傾向である。

こうしたわが国青少年を問題状況下において、これまでの教師教育の研究と実践に関するパラダイムの問い直しと再構築が不可避の課題となっていると考えられる。この課題においてとくに注目されるのが、従前の教育学や心理学の分野において主流であった客観性・普遍性を追求する近代的「科学の知」から、日々の教育事象の具体性や一回性を重視して、しかも人間の情意的・身体的側面をも含めて総体的な問題の把握をめざす「臨床の知」を追求しようとするパラダイム転換の方向である。

すでに、大学の教育関係部門(学部・大学院)においても、以前からある臨床心理学部門に限らず、教育学領域においても「教育臨床」等の名称を冠した新たな専攻・コースが1980年代後半から徐々に開設されてきたところである。しかしながら、名称や基本的な着想においての新奇さは認められるものの、こうした「臨床の知」重視の教師教育の内容・方法の特色や有効性については、必ずしも明確になっていない恐れがある。また、このような教師教育の研究・実践のパラダイム転換の方向が、大方の現状では単なる技術的修正・改編の方策にすぎない懸念も否定できない。

こうした教師教育をめぐるパラダイム転換の方向を、単なる技術的関心にとどめず、より根本的に検討するために、本シンポジウムでは次の課題を設定して論議を展開したいと考える。すなわち、教師教育の研究・実践における「臨床的アプローチ」は、従前のそれと異なるどのような特徴・意義(有効性)をもつのか、またその具体的展開のための課題が何であるのかを探求したいと考える。

このシンポジウムの進め方としては、この「臨床的アプローチ」の基本的な考え方に関して、①わが国教師教育の歴史的視野からの位置づけ、②このアプローチの代表的な方法としてのエスノグラフィーの可能性について、それぞれ提案いただく。さらに、すでにこのアプローチを大学院と学部の各レベルで展開している二つの実践事例について報告いただいた後、フロアーの参会者と共に本テーマについて議論を深めたいと考える。


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