2021年6月14日付けで、日本教師教育学会理事会は中央教育審議会(以下、中教審)「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会・渡邊光一郎部会長宛に「審議に対する要望書」を提出しました。
2021年1月26日に中教審が「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)」を提出したことはご存知の方が多いと思います。その後、3月12日付けで文部科学大臣は中教審に対して、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」諮問を行い、「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会が設置されました。その特別部会の中に「教員免許更新制小委員会」が置かれ、教員免許更新制の廃止を含めた審議が行われていることについては一部のマスメディアでも報道されているところです。
教師の負担軽減という観点から教員免許更新制廃止の方向性が示されていることについては、本学会の理事・会員を含めて多くの方々が支持されていることだと推察します。
但し、免許更新制の扱いは今回の諮問のほんの一部に過ぎません。より本質的なポイントは、教職という専門的職業の在り方や社会的な位置づけなどを支えてきた養成・採用・研修の諸制度についての根本的な変更にあると受けとめられます。
そうした審議内容の重大性にも関わらず、本学会をはじめ、日本の教育学界で積み上げられてきた教師の養成・採用・研修に関する専門的知見が十分に踏まえられていないと言わざるを得ません。また、更新制廃止以外の点に対する社会的な関心は、マスメディアや学校関係者を含めて十分とはいえません。
そこで、本学会理事会はこれからの審議において是非とも留意していただきたいポイントをできるだけ整理して要望書をまとめ、提出することにした次第です。学校関係者や保護者、教職を目指して努力している方々はもちろんのこと、より多くの国民の皆様にお目通しいただくことができるように、このウェブサイトに掲載することにいたしました。
なお、現在までの特別部会での審議関係資料は下記の文部科学省のウェブサイトで入手することができます。
l 5月24日 中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第123回)・「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会教員免許更新制小委員会(第2回)合同会議資料
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2020/1422489_00012.html
l 4月30日 教員免許更新制小委員会(第1回)会議資料
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2020/1422489_00011.html
l 4月27日 中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第1回)・初等中等教育分科会教員養成部会(第122回)合同会議資料
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2020/1422489_00010.html
◆要望書はこちら